ようちえん日記

園長の独り言(令和6年5月)

2024.05.01
糸山の横に波止浜湾が在り、何社かの造船所が並ぶ、大型のクレーンが高さを競い、所狭しと林立する様は、丸で戦いに向う侍達が剣先を天に突き上げ、正に鬨(とき)の声で鎮(しず)まった朝の清気を目醒めさせんとしている、“堂々の陣容”でもある。 観(み)て飽(あ)きぬ今一つの想像は、大鷲(わし)が獲物を掴(つか)み、自らの威と強さを誇示するが如くに、もたげた頭で周りを睥睨(へいげい)しているのである。
 やがて若き兵(つわもの)共の操舵(そうだ)で、世界の“七海八陸”を疾駆し、自らの夢と、今有る若さに挑むのである。
 左右に奮迅(ふんじん)したクレーン達も旅立つ我が子の無事と活躍を親の如くに祈るのであろう。
 “つわもの共が夢の跡(あと)”と別れを惜しむ一ト刻(とき)とて無く、次を待つ新造に備(そな)えるのである。今治の雄壮な“男景色(おとこげしき)”の一つに四月の朝陽が眩(まぶ)しい。


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